数年前から「手ぬぐい」を
作ろうと思っていました。
夏は特に汗を拭くのでハンカチだと小さい。
大判のバンダナでもほぼ変わりません。
手ぬぐいはバンダナよりも大判ですので
使うとぜんぜん違います。
作るのは難しくありませんが
当店で作るのは簡単ではありません。
わざわざ当店で作るんだから
普通ではない物を作りたい。
それで二の足を踏んでおりましたが
ある生地を見つけた事から
このプロジェクトは動き出しました。
「伊勢木綿」
伊勢参宮の土産として津の街道で
名物として販売されていたのが伊勢木綿です。
戦後は需要が激減し、
今では「臼井織布」一社のみとなりました。
その臼井織布が作る
「文」と呼ばれる手ぬぐい生地。
倉敷紡績が開発した「三馬」と呼ばれる
単糸を使ってゆっくりと織り上げる「文」
生地が空気を多く含みますので
ふんわりとした仕上がりとなります。
使ううちに糸が綿に戻ろうとするので
どんどん柔らかくなるのも特徴です。
一般的な手ぬぐいが洗えば硬くなるのに対して
「文」はふわふわのガーゼのようになります。
手ぬぐいはどれだけ安価に作れるかが
ポイントになるアイテムです。
そんな物を作る気がありませんでしたので
この「文」との出会いなくて
「直し屋の手ぬぐい」はできませんでした。
もちろん今回も藍染めは「そめかひ」さん
当店ではもはやお馴染みとなっている
大分県竹田市で昔ながらの方法で
藍を育てるところから行う紺屋さんです。
藍染の元である藍は植物です。
自ら栽培した藍を手で収穫し、
藍の葉を発酵させた染料の元「スクモ」を作ります。
その「スクモ」に灰汁等を混ぜて染料とする
天然灰汁発酵建てで染めにて染色する本物の藍染め。
栽培はオーガニックです。
100%天然素材で染色される藍染で
日本で行われる藍染の1%しか
この手法では行われていないそうです。
藍染は「薬効を身にまとう」
と言われるほど良い効能があります。
優れた抗菌、消臭性だけでなく、
保温、保湿、遠赤効果、防虫効果だけでなく、
防火効果もあるのに消炎、鎮痛効果まであります。
ほぼ100%の紫外線防止も衝撃です。
さらには染める事で生地の強度を30%向上させます。
ちなみに化学薬品染めは-10%です。
通常の洗濯よりも少し縮むのはその為です。
肌の弱い方には特にオススメで
冬の乾燥肌にもあきらかな効果を体感しています。
アトピー、乾燥肌、肌荒れ、とびひ、アレルギー等、
擦り傷や切り傷にも良い。
手ぬぐいと藍染めの相性は抜群です!
今回は当店を代表する「ロゴ」をプリントしました。
藍染めにデザインを入れる手法は少しあります。
今回は先に藍染めをし、
そこから藍染めを抜く「抜染」を行なっています。
そめかひさんの抜染は薬品を使わず、
全て天然成分の手法で行なっております。
これほど手間のかかる手ぬぐいも
非常に珍しいです。
2色とも素晴らしいので中間色と濃い目の
2色をセットにしての販売となります。
洗濯は手洗いが推奨されますが
めんどくさいですよね?
私は黒物として洗濯機で洗っています。
インディゴのように青が出るのではなく、
落ち着くまで黄色いアクが出ます。
*色移りの可能性がありますので
白物と洗濯はしないで下さい。
白系の物との着用も色移りの可能性が
ありますのでお気をつけ下さい